2023-08

第二集 謎のオオ氏を探せ!

謎のオオ氏を探せ! 2.始祖「神八井耳命」について

耳無山(右)と畝傍山(左) 神八井耳命の伝承 「オオ氏」の始祖は「神八井耳命(カムヤイノミコト)」だが、古事記では「神武天皇」と「大物主」の子である「伊須気余理比売(イスケヨリヒメ)」の間にできた第二子とされる。日本書紀でも同じ記事が見られ...
第二集 謎のオオ氏を探せ!

謎のオオ氏を探せ! 1.はじめに

第一集「香取海を巡る神々」の中で、古代の氏族の一つである「オオ氏」が登場した。「潮来」にある「大生(おおう)古墳群」や「大生神社」はこの「オオ氏」の墓であり、祭祀する神社であった。また、「大生神社」は「元鹿島の宮」と称していて、「鹿島神宮」...
第一集 香取海を巡る神々

香取海を巡る神々 10.大生神社③ 大生古墳群の発掘調査とタケカシマノミコト

注文していた本が届いた。大場磐雄氏らが執筆した「常陸大生古墳群」だ。「茨城県行方郡潮来町教育委員会」の発行で昭和 46 年の古い本である。インターネットで注文したのだが、わざわざ古本屋まで足を運ばずとも、全国の古書店の蔵書を一覧でき、簡単に...
第一集 香取海を巡る神々

香取海を巡る神々 9.大生神社② 「元鹿島」の謎に迫る

「元鹿島」の意味   では、なぜ「元鹿島」と呼ばれるのかについて検討していこう。大和岩雄氏は「大生神社」(「日本の神々 神社と聖地 11 関東」)の中で、「大生神社」と「鹿島神宮」の関係を明らかにする 4 つの資料を紹介している。その資料と...
第一集 香取海を巡る神々

香取海を巡る神々 8.大生神社① 訪問記

「鹿島」から車を走らせ、「北浦」を渡って「潮来」に向かった。目的地は「元鹿島の宮」と称する「大生(おおう・おう)神社」である。「元鹿島」とはいったいどういうことなのか? その事情を知りたいと思う。「大生神社」の所在地は茨城県潮来市大生で、「...
第一集 香取海を巡る神々

香取海を巡る神々 7.坂戸・沼尾神社

「坂戸神社」と「沼尾神社」は「鹿島神宮」の「境外摂社」(本社の祭神と縁故の深い神を祀った境外にある神社)である。位置を図 7-1 (汀線=標高 5 m)に示した。「鹿島神宮」の北、「鹿島サッカースタジアム駅」のちょうど西側に「北浦」に突き出...
第一集 香取海を巡る神々

香取海を巡る神々 6.鹿島神宮④ 中臣氏の謎

最後に「なぜ鹿島神宮と中臣氏が結びついたのか?」について考えよう。もういちど、「常陸国風土記」の 649 年の「神郡」設置の記述に戻る。 大乙上中臣□子・大乙下中臣部兎子等が、総領高向の大夫(まえつぎみ)に願い出て、下総の国の海上(うなかみ...
豆知識

豆知識4 ヤマト王権の地方経営

ヤマト王権の地方経営制度の変遷 4 ~ 5 世紀、各地に有力豪族が生まれ、ヤマト王権と結びつく豪族も相当数あった。それぞれが自分の勢力の及ぶ地域の「国主(クニヌシ)」だった。「大国主」はたくさんの国をたばねた存在「オオ・クニヌシ」というわけ...
豆知識

豆知識3 氏姓制度

ヤマト王権はさまざまな豪族が集まり、のちに「天皇」と呼ばれる大王を中心に形成された連合組織のようなものであったと考えられる。 中央の組織が上手く機能するように、さらに地方の豪族を含めて支配が円滑に進むように、5 ~ 6 世紀にかけてつくり上...
第一集 香取海を巡る神々

香取海を巡る神々 5.鹿島神宮③ 神宮設置の目的

鹿島は鉄の産地 慶雲元年(七○四)に、国の司(つかさ)采女(うねめ)の朝臣が、鍛佐備(かぬちさび)の大麿らを連れて、若松の浜の砂鉄を採って、剣を造った。ここから南、軽野の里の若松の浜に至るまで、三十余里ほど、ここは皆松山である。伏令(まつほ...