第二集 謎のオオ氏を探せ!

謎のオオ氏を探せ! 3.多神社① 探訪記

「大和西大寺駅」で近鉄奈良線から「橿原神宮前」行きの橿原線へ乗り換える。2023 年 7 月の暑い朝だった。私は以前「大和西大寺駅」から一駅京都側に行った「平城駅」の近くに住んでいたので土地勘はある。橿原線にも何度も乗った。この路線は「大和...
第三集 鉄に魅せられた神々

鉄に魅せられた神々 2.「常陸国風土記」に見える鹿島の鉄の検討① 砂鉄

「第一集 香取海を巡る神々」の最初に「鹿島神宮」を取り上げたが、この時点から「古代における鉄」の探索に引き込まれていくことになった。「鹿島神宮③」の冒頭では「常陸国風土記」のつぎの文章を引用した。 慶雲元年(七○四)に、国の司(つかさ)采女...
第三集 鉄に魅せられた神々

鉄に魅せられた神々 1. はじめに

たたら炉  「神々の坐すところ」の第三集として、「鉄に魅せられた神々」というテーマで「古代の鉄」を中心にいろいろ書いていこうと思う。ここでは「第一集 香取海を巡る神々」や「第二集 幻のオウ氏を探せ」とは違った書き方をしようと考えている。一・...
第二集 謎のオオ氏を探せ!

謎のオオ氏を探せ! 2.始祖「神八井耳命」について

耳無山(右)と畝傍山(左) 神八井耳命の伝承 「オオ氏」の始祖は「神八井耳命(カムヤイノミコト)」だが、古事記では「神武天皇」と「大物主」の子である「伊須気余理比売(イスケヨリヒメ)」の間にできた第二子とされる。日本書紀でも同じ記事が見られ...
第二集 謎のオオ氏を探せ!

謎のオオ氏を探せ! 1.はじめに

第一集「香取海を巡る神々」の中で、古代の氏族の一つである「オオ氏」が登場した。「潮来」にある「大生(おおう)古墳群」や「大生神社」はこの「オオ氏」の墓であり、祭祀する神社であった。また、「大生神社」は「元鹿島の宮」と称していて、「鹿島神宮」...
第一集 香取海を巡る神々

香取海を巡る神々 10.大生神社③ 大生古墳群の発掘調査とタケカシマノミコト

注文していた本が届いた。大場磐雄氏らが執筆した「常陸大生古墳群」だ。「茨城県行方郡潮来町教育委員会」の発行で昭和 46 年の古い本である。インターネットで注文したのだが、わざわざ古本屋まで足を運ばずとも、全国の古書店の蔵書を一覧でき、簡単に...
第一集 香取海を巡る神々

香取海を巡る神々 9.大生神社② 「元鹿島」の謎に迫る

「元鹿島」の意味   では、なぜ「元鹿島」と呼ばれるのかについて検討していこう。大和岩雄氏は「大生神社」(「日本の神々 神社と聖地 11 関東」)の中で、「大生神社」と「鹿島神宮」の関係を明らかにする 4 つの資料を紹介している。その資料と...
第一集 香取海を巡る神々

香取海を巡る神々 8.大生神社① 訪問記

「鹿島」から車を走らせ、「北浦」を渡って「潮来」に向かった。目的地は「元鹿島の宮」と称する「大生(おおう・おう)神社」である。「元鹿島」とはいったいどういうことなのか? その事情を知りたいと思う。「大生神社」の所在地は茨城県潮来市大生で、「...
第一集 香取海を巡る神々

香取海を巡る神々 7.坂戸・沼尾神社

「坂戸神社」と「沼尾神社」は「鹿島神宮」の「境外摂社」(本社の祭神と縁故の深い神を祀った境外にある神社)である。位置を図 7-1 (汀線=標高 5 m)に示した。「鹿島神宮」の北、「鹿島サッカースタジアム駅」のちょうど西側に「北浦」に突き出...
第一集 香取海を巡る神々

香取海を巡る神々 6.鹿島神宮④ 中臣氏の謎

最後に「なぜ鹿島神宮と中臣氏が結びついたのか?」について考えよう。もういちど、「常陸国風土記」の 649 年の「神郡」設置の記述に戻る。 大乙上中臣□子・大乙下中臣部兎子等が、総領高向の大夫(まえつぎみ)に願い出て、下総の国の海上(うなかみ...