
「古事記」と「日本書紀」の概要と違いを整理しておこう。
古事記
- 概要:日本最古の歴史書で、全 3 巻。上巻は神代、中巻は神武天皇~応神天皇、下巻は仁徳天皇~推古天皇までの歴史を記述。
- 成立:天武天皇の勅命で稗田阿礼(ひえだのあれ)が帝紀や先代旧辞を誦習(しょうしゅう)していたが、元明天皇の命で太安万侶(おおのやすまろ)が文章に記録し、和銅 5 年(712)に献進したと序文に書かれている。
- 特徴:全体の 1/3 を神代に割くなど神事に関する記述が多く、多数(201 氏)の氏族の系譜が記載されている。一つの正説を定めて筋を通しており、物語風の語り口でわかりやすい。
- 表記方法:「音読み」と「訓読み」を折衷させた独特の変性漢文方式。
- 作成の目的:多くの氏族の持つ伝承や系譜をヤマト王権の歴史の中に結合し、統一化させることで、大王を中心とする支配の正当化を狙ったと思われる。
日本書紀
- 概要:日本最初の勅撰正史。全 30 巻のうち、1 ~ 2 巻は神代(神話の時代)で、3 巻以降は初代の神武天皇から、41 代の持統天皇の代の終了までを記録。その後、「続日本紀」「日本後紀」「続日本後紀」「文徳実録」「三代実録」が書かれ、合わせて「六国史(りっこくし)という。
- 成立:舎人(とねり)親王らの編。養老 4 年(720)成立。
- 特徴:帝紀・旧辞、寺院の縁起、諸家の記録、中国・朝鮮の史料など幅広い資料を用い、異説をあえて統一せず、「一書(あるふみ)」という形で並記したり、注として付記したりしている。登場する氏族の系譜は 110 氏族。
- 表記方法:年代順に出来事を記録する編年体。漢文体。
- 作成の目的:中国の歴史書にならって作成された、国家の正史。

