鉄に魅せられた神々 1. はじめに

たたら炉 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Tatara_(Making_Japanese_Iron_and_Steel).png

「神々の坐すところ」の第三集として、「鉄に魅せられた神々」というテーマで「古代の鉄」を中心にいろいろ書いていこうと思う。ここでは「第一集 香取海を巡る神々」や「第二集 幻のオウ氏を探せ」とは違った書き方をしようと考えている。一・二集は関係する神社を順に訪ねるという、いわゆる「紀行文」が軸になるのだが、この第三集では「古代の鉄」を巡るかなり広範囲な話題を取り上げたい。つまり、「古代の鉄」に関する考古学から始まって、鉄の技術論や「鉄と神々」から触発される様々な「旅」、それは物理的な移動を伴うものばかりでなく、頭の中での時間と空間を越えた「思考の旅」も含めて、いろいろなものを記録していきたいのである。おそらく、変な脇道に深く入りこんだり、道に迷って同じところを行ったり来たりすることになるだろう。きれいな一本道はあり得ない。だから、かなり冗長になるが、その「旅の記録」を克明とはいかないまでも、ある程度詳しく書いていきたい。さらに、このテーマは私の人生と深く関わり合っている、だから、いろいろな時点での「心象風景」も混じえてみたい。つまり、かなり私的な探求の旅を記録したいと考えている。

 ……と、ここまで前置きを書いたところで、ではどこから話を始めようか悩んだ。このブログ自体を始めたいきさつから語ろうかとも思ったのだが、それだと話がどこへ行ってしまうか収拾がつかなくなる気がする。そこで、すでに「第一集 香取海を巡る神々」でお話しした「常陸国風土記」の「鹿島での製鉄」に関する記述を取り上げ、そこに書かれていることを検証することによって古代の鉄に関して概観をつかみ、「鉄の古代史」を探った上でいろいろな話に移っていきたい。私的なエピソードについては関係する箇所に少しずつ散りばめようと思う。

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